【食品包装基礎】(6)ドライラミネートとエージング

ドライラミネートとエージング 食品包装基礎

 フィルムへの印刷が終了すると、ラミネート(貼り合わせ)エージング(乾燥)の工程に移ります。ラミネートにも色々な方法がありますが、今回はドライラミネートに絞って取り上げたいと思います。




ドライラミネート

 ラミネートとは、フィルム同士を貼り合わせることです。その中の一種であるドライラミネートとは、フィルムに接着剤を塗布し、2枚のフィルムを貼り合わせて1枚のフィルムに仕上げていく工法のことです。

 有機溶剤で溶かした接着剤を基材となるフィルム表面に塗り、溶剤を蒸発乾燥させてもう一方の基材と接着させていきます。層ごとに接着していくため、2層のフィルムだと1回の接着で済みますが、3層だと2種類の基材を接着した後、その接着された基材と残っている基材を更に接着させていくことになります。

 ドライラミネートは、耐熱性や耐薬性を付与することができ、非常に接着強度が強いです。そのため、耐熱性が求められるレトルト食品などにも使えるなど利用範囲が広いため、加工食品では多くの食品包装に利用されています。反対に、加工時に接着剤を使用するため溶剤が残りやすいです。また、臭いをなくすために時間を要します。


エージング

 エージングとは乾燥することです。ドライラミネートされたフィルムは、接着剤が完全には付いておらず、臭いも残っています。このまま使用すると、食品包装の過程でフィルムが剥がれたり、臭いが移るなど品質的な問題が発生します。この問題を回避するため、ラミネート後にエージングという乾燥期間が設けられます。

 エージング工程に運ばれたフィルムは、接着剤が剥がれない程度の一定温度に管理された部屋で、ロールのまま数日間保管されます。その温度や日数は、フィルムの構成などの条件により1日〜4日程度に変わります。多くの層を持つフィルムほど、エージング時間は長くなります。

 エージングされるとフィルムは、接着強度が上がり、臭いも消えていきます。エージングの数日間は何も作業ができないため、納期的にはネックになる工程ですが、品質に非常に影響するため、短縮のできない重要な工程となっています。


まとめ

 ラミネートとエージングというフィルムを製造する上で非常に重要な工程の説明をしてきました。特にエージングは数日間を要する工程のため、納期スケジュールを考えるときには意識して日数を検討するようにしましょう。